■2017年 第12週(3月26日現在)のレジオネラ症感染者数
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報(IDWR速報データ)
第12週の速報によると253名の感染者が報告されました。(グラフ@参照)
昨年(2016年)の同週は243名で、4.1%増えています。
広島県三原市の入浴施設で56名の方が感染し1名の方が亡くなられたレジオネラ集団感染の報道があってから2週間近くになりました。(人数は4月1日現在の広島県の発表による)
この間、当該施設における衛生管理表への記載がないといった杜撰(ずさん)な管理体制がクローズアップされ、広島県が市町及び入浴施設の業界団体に一斉に検査を実施するよう文書で指示が出されるなどの報道が続きました。
これだけの規模の集団感染は、ここ10年は無く、2002年に起きた宮崎県日向市の事例まで遡ることとなります。
15年も前になりますが、この時も全国で大きく報道され、入浴設備を持つ銭湯・スーパー銭湯・ホテル・旅館などの関係者は高い関心を持っていたことと思います。
しかし、ここ数年は集団感染の事例はなく、少人数の感染では大きく報道されることもほとんどなく、次第に関心が薄れてきているのかも知れません。もしかしたら15年前の集団感染を知らずに管理をしている方もいるかも知れません。
慣れや気の緩みが常態化してくると、いつか大きな事故が起きる可能性があるということを今一度心に留めて、お客様が安心して利用できるよう適切な衛生管理を行って頂ければと思います。
九州地方8県の2007年以降の報告数の推移については次週掲載致します。
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入浴施設では、ろ過装置を含めた配管の定期的な洗浄(専門の業者に委託することが多いと思います)と施設の担当者による日常の清掃・消毒の実施が、レジオネラ症をはじめとする感染症の対策には不可欠であり、また、衛生的な状態が保たれていることを確認するための水質検査も大切です。
銭湯やスーパー銭湯などの入浴施設、ホテル・旅館のお風呂を管理される方は、衛生管理を十分に行い、万全の体制でお客様をお迎えできるよう、お願いします。
また、お風呂がある高齢者施設も同じく、衛生管理の徹底をお願いします。
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見た目はもちろん大事ですが、目に見えない菌が潜んでいる可能性も考えながら、清掃や洗浄とともに消毒剤などを使うことも考えて頂きたいと思います。
日々の作業は大変かも知れませんが、清掃・消毒のポイントをしっかり押さえて行いましょう
過信は禁物です。これまで何事もなかったからこれからも大丈夫とは限りません。常に緊張感を持って衛生管理を行うようお願いします。
また、日々の清掃・消毒・点検等の後には、その内容(箇所・時刻・数値など)を管理表などの書面に必ず残すようにしましょう。
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厚生労働省は、平成27年3月31日付けで
「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」について、厚生労働科学研究で最新の知見等が得られていること等を踏まえ、本マニュアルを改正するとの通知を出しました。
また、これまでのマニュアルとの比較一覧も作成されています。→
ここをクリック
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このページのグラフは、国立感染症研究所(NIID)が公表する感染症発生動向調査週報(IDWR)のデータに基づき、協会が作成したものです。
※それぞれのグラフをクリックすると大きなグラフがご覧になれます。
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@ 年度別レジオネラ症例数
(1999年以降) |
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A レジオネラ症報告数・月毎累計
(過去8年間) |
B 月別レジオネラ症報告数
(過去8年間) |
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C レジオネラ症報告数・週毎累計
(過去8年間) |
D 週毎レジオネラ症報告数
(過去8年間) |
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営業者及び管理者の衛生管理に対する意識が高いか低いかで、施設の衛生管理状況は大きく変わります。
地域や団体、行政機関などが主催するレジオネラ対策等の講習会がある場合には積極的に参加して、最新の情報や知識を身につけ、日常の衛生管理を向上させましょう。
また、日常衛生管理が適切に行われていることを確認するために、
レジオネラの検査も行いましょう。
なお、衛生管理を行う上で、薬剤や機械に頼りすぎないことも大事です。
どんなに良い薬剤や機械を使っていても、管理する人がその使用方法・メンテナンス方法等を正しく理解していなければ、意味がありません。
管理の知識を向上させましょう。最終確認は人の目・手で行いましょう。