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歯科医院でレジオネラ症感染の初事例/イタリア

 歯科医師達は、通常は欠陥のある空調や温水設備に関連して起こるレジオネラ症の初めての事例について報告した。感染が確認された患者が歯科医院を訪れていた。
 『ザ・ランセット』(医学誌)で公表された報告には、ローマに住む82歳の女性が高熱と呼吸障害で2011年2月に入院していたとされている。
 その女性は、すぐにレジオネラ属菌による感染症と診断され、大量の抗生物質を投与されたにもかかわらず、肺血性ショックで2日後に死亡した。菌の潜伏期間である2~10日前の間に、女性は2度外出しているが、両日とも歯科医院に行っていた。
 水の検体は、歯科医院の水道水の蛇口、歯石除去器やハンドピース水を供給する管および高圧ポンプから採取され、3つの検体全てからレジオネラ属菌が検出され、特に高圧ポンプには多かった。
 菌の遺伝子配列が死亡した女性のものと一致し、菌は特に感染力の強い“Benidorm(ベニドーム)”という亜種であることがわかった。
 事前の調査で歯科医院の水系は菌に汚染されている可能性が示されていたが、感染者の存在が確認されたのは、この事例が初めてである。
 「これまでは、レジオネラ症は歯科医院の水系が原因となることはなかった。今回の事例は、日常的な歯科業務の中で、歯科ユニットの水系からレジオネラ症が引き起こされる可能性があること、高速回転する道具から飛び散る水は最も感染の原因となる可能性があることを示している」と報告されている。
 この報告書は、フィルターの使用、消毒された水の連続的な循環、水道水に替わる無菌の水の使用を含む、一連の提言を書き留めている。

資料:2012年2月17日(金)付 GMA NETWORK NEWS 他